多摩地区インプラント治療ガイド 田中歯科医院監修

歯を失ったまま放置する
リスク

歯を抜いたあと
歯がない状態で生活している方へ
―歯を失ったまま放置しておく
10リスク
なんらかの理由で歯を失ってしまった際にインプラント、入れ歯やブリッジなどの治療を選択することも大切ですが、歯を抜けたまま長期にわたって放置しておかないということが、残った歯と全身の健康を守るためにとても重要です。
特に生活への支障もないから、とりあえずこのままで… いま忙しいしお金もないから、また今度… 痛かった歯を抜いてもらえて、むしろスッキリ…
特に生活への支障もないから、とりあえずこのままで… いま忙しいしお金もないから、また今度… 痛かった歯を抜いてもらえて、むしろスッキリ…

歯を失った後も特に問題ないと、歯がないままの状態ですごしてしまう方もいらっしゃいますね…。
歯を抜いてそのままにしておいても、痛みや腫れといった分かりやすい症状は出ませんが、 油断してそのまま放置しておくと、じわじわと時間をかけて様々なトラブルが生じてしまいます。
歯にはそれぞれに役割があり、1本でも無くなってしまうと全体のバランスが崩れて、全体が機能しなくなっていくのです。

チームプレーのスポーツをイメージしていただくとわかりやすいですね。
一人欠けてしまったチームでは他の選手への負担が大きくなり、消耗も早まります。
歯も同じで、1本失ってしまい周りの歯への負担が続くと、次々に歯を失ってしまうケースが多いです。

歯を抜いたままに
しておくことで起こる影響

歯が抜けたまま放置すると…

機能面での影響

  • リスク01歯が伸びてきてしまう(歯の挺出のリスク)

    上下の歯はそれぞれしっかりと噛み合う相手の歯があるのが正常な状態ですが、相手の歯が失われると接触する歯がないため、失った歯のスペースに伸びてきてしまいます。 実際には、歯が伸びるているのではなく、歯肉(骨の中)に埋まっていた歯の根の部分が出てきますので、その状態になってから元に戻すことは大変難しくなります。
    伸びてきてしまった歯は単純に押し戻せばいいというわけではなく、戻すことが難しくなります。また、抜けてしまった歯のスペースを補うためにインプラントや入れ歯、ブリッジなど人工の歯を入れる治療の際、対合歯(嚙み合う歯)が邪魔をして難しい治療となってしまいます。

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  • リスク02失った歯の両隣の歯が傾いてきてしまう(歯の傾斜のリスク)

    歯を失うと、歯と歯の間に1本分の隙間が出来てしまいます。両隣の歯は徐々にそのスペースの方に動いて傾いてきます。そのまま放っておくと、両隣の歯が斜めに傾いてしまい、失った歯の部分にインプラントや入れ歯の治療をしようと思っても、両隣の歯が傾いてスペースを塞いでいますので、うまく治療が出来ません。 つまり歯並びが悪くなってしまうので、これを元の状態に戻すには全体的な歯の矯正治療が必要になってきます。
    歯並びを矯正するのは自費治療になり、体への負担だけではなく、多額の費用負担もかかってしまいます。

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  • リスク03咬み合わせが悪くなる(顎関節症のリスク)

    失った歯のスペースに噛み合う相手の歯や両隣の歯が移動してくると、お口全体の嚙み合わせが徐々におかしくなってきます。
    噛み合わせのバランスが崩れることで、顎関節症の原因となるリスクが高まります。

    歯を抜いた部分をそのままにしておくと、残った歯もどんどんとバランスを失っていき、負の連鎖により、奥歯から崩壊が始まってしまうことにもなります。
    たった1本の歯を抜いただけ…そう思って油断せずに、まずはきちんと治療を行い、残っているご自身の天然の歯をなるべく大切に長持ちさせることを考えていきましょう。

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  • リスク03今後の治療への影響(治療・費用負担の増加のリスク)

    このように歯が伸びてきたり、周りの歯が傾いてくることによって『いざ、歯の治療をしよう!』と思いたった時には、失った歯の周辺の歯へ大きな影響が及んでしまっており、大掛かりな治療が必要になったり、治療費の負担も大きくなってしまっていることもあります。

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歯を失ったまま放置すると…

審美面での影響

  • リスク05見た目の印象が悪くなりふさぎがちになる(悪印象・精神負担のリスク)

    歯がないままでは見た目の印象が悪くなります。
    また、見た目を気にして、大きな口をあけて笑うことができなくなったり、人とのコミュニケーションを取らずふさぎ込んでしまうこともあるようです。
    口元がその人の印象に与える影響は想像以上に大きいものです。また歯がないことに気がつくと、ついそこばかり見てしまうこともあるかもしれません。
    歯が1本無いだけでも、人に与える印象は大きく変わってしまうのです。

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  • リスク06顎の骨が溶けることで、歯ぐきの位置が下がってくる
    (歯槽骨吸収・歯肉退縮のリスク)

    歯を失ったまま放置してしまうと、歯ぐきが下がって、歯が長くなった、伸びたように見えてきます。
    しかし、実際には歯を支えているのは歯肉ではなく、歯槽骨という顎の骨です。歯を失ってしまったことによって歯槽骨が、幅や高さを徐々に減らしていってしまうのが歯肉が下がってくる原因です。
    歯槽骨が衰えてしまうと、いざ入れ歯やインプラント治療を受けようとしても、治療が困難になったり、骨造成の手術をしなければならない可能性があるなど、身体や費用の負担がより大きなものになってしまうことがあります。

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  • リスク07顔貌が変化して、老けて見られてしまう(老化のリスク)

    歯を失ったまま放置していると、顔の筋肉のバランスが崩れて顔貌が変わってしまう可能性があります。
    歯を失ってから時間が経つと、歯ぐきも下がってくるので、頬がこけて見えたり、顎がたるんで見えたりします。また、前歯の場合は口元にシワが寄りやすくなり、全体的に老けた印象になります。
    歯がないままにしておくと、見た目にも大きな影響が出てしまうのです。

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歯を失ったまま放置すると…

生活面での影響

  • リスク08噛み合わせが悪くなることで、胃腸に負担がかかる(消化器官負担リスク)

    歯を失い、噛み合せのバランスが崩れると食べ物をきちんと咀嚼することができず、消化しにくい状態で食べ物が胃腸に送られることになり、胃や腸への負担が増加します。
    また、咀嚼がきちんとできないと唾液の分泌が不足してしまい、消化を妨げてしまいます。唾液には、食べやすくするだけでなく、口を通して外部から入ってくる細菌などから体を守るための、免疫機能という重要な働きもあります。 口の中の食べカスを洗い流し、口の中をきれいにして虫歯や口臭を防ぎます。

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  • リスク09発音への影響(発音障害リスク)

    歯がない部分から息が漏れて、発音が不明瞭になってしまう場合もあります。 特に前歯が発音に及ぼす影響は大きく、上顎の前歯を失うと『サ行』や『タ行』の発音が難しくなります。
    そのような発音障害を気にして、人とのコミュニケーションに支障をきたし、心理面にも悪影響を及ぼす恐れがあります。

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  • リスク10認知症の原因となることも(認知症リスク)

    歯を失う一番の原因は歯周病です。
    歯周病は細菌の感染によって引き起こされる病気です。
    歯周病にかかっていると、口の中の菌が歯肉から血管内に侵入し、脳まで流れ着き、小さな脳出血を引き起こします。その結果、神経細胞がダメージを受けて『脳血管性認知症』を引き起こすといわれています。
    さらに歯周病は口の中で慢性的な炎症が起こっている状態です。それを放置しておくと全身に炎症が広がっていきます。
    『アルツハイマー型認知症』は脳の炎症なので、歯周病の影響で炎症が増強され進行してしまいます。

    また咀嚼と脳は深い関係にあります。噛むことで脳に刺激が与えられるのですが、歯を失い咀嚼回数が減ったり、噛み合わせがずれることによって、脳への刺激も減り、認知症のリスクが高まる傾向にあります。
    65歳以上で『歯が20本以上』残っている人と『歯が数本で入れ歯やインプラント等の人工歯の使用無し』の人とでは認知症のリスクが2倍近く違うという研究結果もあります。

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もし歯を失ってしまったら

歯を抜いたまま、失ったまま放置しておくと、様々な問題が起こることがお分かりいただけたでしょうか。
歯を抜いた後に放置したことによって起きたトラブルを改善するには、かなり大掛かりな治療が必要となる場合が多くあります。
歯を抜いた後に放置せずに、すぐに対処していればこんな大問題にはならなかったのに…、
と後悔することのないように、インプラントや入れ歯、ブリッジ治療など、早めに、しっかりと最後まで治療をするようにしてください。

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